芹沢銈介の装幀展

白樺文学館は、大正時代、白樺派の中心人物である柳宗悦(やなぎむねよし)、志賀直哉、武者小路実篤らが我孫子(あびこ)に住んでいたことから、白樺文学を紹介している文学館です。

JR我孫子駅から徒歩15分ほどの場所にあり、齧ったリングドーナツのような白いオブジェが目印です。

白樺文学館

館内は大展示室と小展示室、音楽室、和室、図書室で構成されるこじんまりとした建物です。

所要時間はゆっくりと見て45分ほどでしょうか。

我孫子市白樺文学館
https://www.city.abiko.chiba.jp/event/shiseki_bunkazai/shirakaba/index.html

芹沢銈介(せりざわけいすけ)は、型絵染の重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝です。

民藝運動の創始者でもある柳宗悦を師と仰ぎ、民藝協会の主要なメンバーの一人として、民藝運動を支えました。

芹沢は、文字や動植物、幾何学模様などを様々なモチーフを用い、着物や暖簾、絵本、本の装填(そうてい)など幅広い分野で活躍しました。

沖縄の紅型(びんがた)に影響を受けたため、明るい色彩の着物や暖簾などに影響が見て取れます。

着物の模様

芹沢銈介の装填展では、白樺文学館所蔵の芹沢作品の中から、装填を中心に展示しています。

民藝運動の機関雑誌「工藝」の表紙のデザインは、独創的でありながら、押しつけがましいところがなく、今見てもとてもお洒落です。

また、簡素なデザインが、民藝運動の“各地の風土から生まれ、生活に根ざした民藝の「健全な美」”の精神と調和しています。

芹沢による「工藝」の表紙

館内には、芹沢以外の作家による「工藝」の表紙もパネルで展示されていますが、その中でも芹沢のデザインが際立って見えます。

「工藝」の表紙のパネル展示

それは芹沢の卓越したデザイン力と型染(かたぞめ)という技法を用いたことによるのではないでしょうか。

“型染は、古くから日本で行われてきた伝統的な染色技法で、型紙を使って布の上に防染糊(ぼうせんのり)を置き、染液をつけた刷毛で染めるか又は染液に浸して染め、水洗いで糊を落として模様を表す染め方です。”

引用 柏市 型染めの技法

http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/280400/p001266.html

型染めについて、芹沢はこんな言葉を残しています。

“型染には過剰な技術がない。色は単純に煮つめられている。質は見せかけがなく堅実で、模様は絵画から離れて、型紙の必然から生まれた模様になり切っている。このように型染には、手仕事の根元的なものから発する美しさがある。”

引用 芹沢銈介「型染の工房から」(「婦人画報」1957年2月号 婦人画報社)

 

こうした型染の技法によって、簡素で無駄がなく、美しいデザインが数多く生み出されたのでしょうか。

 

参考

静岡市立芹沢銈介美術館

https://www.seribi.jp/index.html

nostos books

https://nostos.jp/archives/161098

和楽 日本の文化の入り口マガジン[わらく]

https://intojapanwaraku.com/craft/8539/

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